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S13-04 : メタゲノム解析から見た深海と海底下生態系の機能ポテンシャル
Posted On 20 10月 2014
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JAMSTEC
メタゲノム解析は、ヒト、動物、昆虫や植物に常在する微生物叢の構成とその役割や自然環境に形成された様々な微生物生態系の多様性解析に欠くべからざる方法論として、広く用いられている。しかし、その多くは、16S rRNA遺伝やある特定の遺伝子のみを用いた種の多様性解析が主であり、微生物生態系全体が持つ機能とそれを担う微生物の分類学的特徴、また環境中に存在する生理・代謝機能の冗長性などを主体とした議論はあまりなされていない。これは、メタゲノム配列から、微生物の様々な生理・代謝機能を評価する方法論がまだ確立していないためである。 そこで我々の研究グループでは、KEGGの代謝マップから反応単位で生理・代謝機能が再定義されたKEGGモジュールを用いてメタゲノムに潜む生理・代謝機能評価システム (MAPLE)を開発し、昨年末にゲノムネットから公開した(http://www.genome.jp/tools/maple/) ので、本システムについて紹介する。また、現在このシステムを用いて海洋や湖沼、土壌などを対象としたメタゲノム解析が行われているので、本シンポジウムでは、深海や海底下深部環境などを主な解析対象として進めている我々のメタゲノム解析研究について、生理・代謝的機能から見た特徴を紹介したい。
keywords:メタゲノム解析,MAPLEシステム,深海環境,地下生命圏