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腸内エコシステムの制御による新たな健康維持基盤技術の創出

福田 真嗣 慶應義塾大学先端生命科学研究所  地球環境上のあらゆる場所には微生物生態系が存在しているが、とりわけわれわれの腸管内には数百種類以上でおよそ100兆個にもおよぶ腸内細菌群(腸内細菌叢)が高密度に生息している。これら腸内細菌叢は細菌同士あるいは宿主の腸管細胞群と相互作用することで、複雑で洗練された腸内生態系、すなわち「腸内エコシステム」を形成している。腸内エコシステムは通常はこれらの同種あるいは異種細胞間の絶妙なバランスの元に恒常性を維持しているが、過度の遺伝的要因あるいは外環境由来の要因によりその恒常性が破綻してしまうと、最終的には粘膜免疫系や神経系、
Posted On 06 10月 2015
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微生物群集のレジリエンスを理解するための数理生態学:基礎と応用

鈴木 健大 国立環境研究所, 生物生態系環境研究センター レジリエンスは生物群集や生態系が撹乱を受けた場合の復元力や復元可能性を表す言葉である。レジリエンスが低い生態系は高い生態系と比べて、小さな撹乱に対しても容易に元来の状態を変えてしまう。このような考え方は、生物群集や生態系が複数の安定な状態(多重安定性)を持つことを暗に仮定している。多重安定な系は、一度異なる状態へと変化した場合、何らかの環境の変化や人為的な操作なくしては元の状態を復元することができない。例えば、湖沼におけるアオコの発生メカニズムは、このような多重安定性と関係している可能性がある。 これまで生
Posted On 06 10月 2015
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ミクロエコミクス (micro-ecomics) 研究を支える数理

中岡 慎治 東京大学大学院医学系研究科 微生物生態群集では、メタゲノムや COG (Cluster of Orthologous Genes) 解析によって、群集における種構成や群集が有する機能に関する情報を得られるようになってきた。一方、窒素循環など微生物群集によって担われている生態系機能(サービス)は、必ずしもオミックスデータのみから理解できるわけではない。生態学的相互作用によって生み出される群集の維持機構やサービスは、これまでに生態学の分野で発展してきた理論や数理モデルが有効であると期待される。 本講演では、古くから個体群生態学の分野で培われてきた数理モデル
Posted On 06 10月 2015
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群集生態学のモデルシステムとしての微生物群集

瀧本 岳 東京大学大学院農学生命科学研究科 近年の技術発展により、微生物の群集構成(どの分類群がどれだけいるのか)の記述が現実的になってきた。また、微生物群集は、生態系の様々な機能や人の健康とも密接に関わっており、その構造と機能を管理するための科学体系が求められている。この背景に対応して、微生物を対象とした群集生態学の構築を目指す研究動向が活発化している。本発表ではまず、微生物の群集生態学の近年の展開を、「多様性の空間パターン」、「群集の構造とその機能性」、「微生物生態系の管理」の3つの視点からレビューする。ついで、現在の群集生態学の課題として、群集生態学における
Posted On 06 10月 2015
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