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新型多剤耐性菌の地球規模での蔓延

荒川 宜親 名古屋大  1940年代のペニシリンの工業的大量生産成功を契機に、様々な有効な抗菌薬が開発実用化され、1980年前後には、「細菌感染症はもはや、克服された病気や過去の病気」と多くの医療関係者が誤認するほどであった。しかし、そのような誤解も長くは続かず、1980年頃より、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が医療現場で広がり始め、また、新たにバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)や基質スペクトル拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌などが相次いで出現した。1990年代になると、多剤耐性結核菌(MDR−TB)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、多剤耐性アシネト
Posted On 06 10月 2015
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家畜および野生動物における薬剤耐性菌の分布

浅井 鉄夫 岐阜大 人類と生活環境を共有する家畜や伴侶動物などの飼育動物に薬剤耐性菌が分布することが様々な分野で関心を集めている。これには、動物の治療などに使用される抗菌性物質が薬剤耐性菌の分布に大きく影響することが指摘され、畜産物を介して伝播する薬剤耐性菌の汚染源となる家畜における実態調査が、農林水産省により実施されるようになった。2000年頃には国内の家畜から殆ど分離されなかった第3世代セファロスポリン耐性大腸菌は、2005年ごろから肉養鶏から高頻度に分離されて注目されたが、2012年に関係業界が関連する薬剤の使用を自主規制したことにより低減した。現在、家畜に
Posted On 06 10月 2015
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