JS12-1:レトロウイルスの起源と進化
宮沢 孝幸 京都大 レトロウイルスは逆転写酵素をもち、ウイルス複製の過程でRNAのウイルスゲノムがDNAに変換される。レトロウイルスは、生殖細胞にもごくまれに感染すると考えられる。レトロウイルスが感染し、プロウイルスが組み込まれた生殖細胞由来の配偶子が受精し、その受精卵から個体が発生すると、すべての体細胞と生殖細胞のゲノムにそのレトロウイルス由来の配列が含まれることになる。この配列を、内在性レトロウイルス(endogenous retrovirus:ERV)と呼んでいる。ERV配列は、多くの哺乳類のゲノムのおよそ10%をも占めている。ほとんどのERVは、変異や欠
Posted On 06 10月 2015