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P25-15 : AMF共生シクラメンにおけるHeat Stress及び炭疽病の交差防御と抗酸化機能変動並びにプロテオーム解析
Posted On 20 10月 2014
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1岐阜大・応用生物, 2岐阜大・院応用生物, 3 (有) 泉農園, ,
シクラメンでは夏期養成期に生育不良を伴う高温障害や病害が発生し、主要産地では夏越えが課題となっている。本研究では、2タイプのHeat Stressに対するAMF(arbuscular mycorrhizal fungus)共生シクラメンの生育反応、炭疽病耐性及び抗酸化機能変動を調査するとともに、Heat Stress及び病害応答性タンパク質のプロテオーム解析を行った。SHS(Shock Heat Stress:35℃恒温)・GHS (Gradual Heat Stress:段階的高温化)処理共にAMF区における葉・塊茎・根乾物重は無接種区より増大する場合がみられた。また、葉における相対成長速度は35℃移行7日後までAMF区で減少が軽減された。一方、炭疽病菌(Colletotrichum gloeosporioides)接種9日後においてSHS・GHS区ともにAMFによる耐病性誘導が確認された。抗酸化機能解析の結果、SOD活性及びDPPHラジカル捕捉能はSHS・GHS区ともにHeat Stress条件移行前後及び炭疽病菌接種前後においてAMF区で増大し、特に葉及び根における増加が大きかった。プロテオーム解析の結果、SHS移行前後及び炭疽病菌接種前後において計29スポットの発現変動が確認され、AMFによる発現増大もしくは新規発現が認められたスポット数は20であった。以上の結果から、AMF共生シクラメンにおけるHeat Stress下での高温障害軽減及び炭疽病耐性により連動ストレスに対する交差防御が認められるとともに、AMF共生下で連動ストレス応答性タンパク質発現が確認された。
keywords:菌根菌,シクラメン,炭疽病,heat stress,抗酸化機能