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S11-04 : 走査型プローブ顕微鏡を用いたナノマニピュレータの開発とバイオ試料への応用
Posted On 20 10月 2014
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1静岡大学大学院 工学研究科 機械工学専攻, 2静岡大学 電子工学研究所,
走査型プローブ顕微鏡は今日,観察手段のみでなく,微細加工やマニピュレータとしての技術開発が盛んに行われている.われわれはこれまで,プローブ顕微鏡を用いて様々な微細加工/マニピュレーション技術を開発している.こうした加工ツールとしてのプローブ技術について,本稿では特にバイオ試料への応用を考慮したマニピュレータ開発に関して最近の成果を紹介する。
1)ナノピペットを有するSPMによるマニピュレーション
ナノスケールで物質を堆積できれば,デバイス作製やバイオ試料の高密度アレイ,細胞への試薬注入など様々な応用が期待できる.これまでわれわれはプローブの先端に微細な開口を有するナノピペットプローブを用いたSPM微細加工装置の開発に取り組んでいる.ナノピペットとは極細なキャピラリーガラス管であり,バイオの分野では細胞操作や微量試料採取など広く用いられている.われわれはこのナノピペットプローブを微細加工用ツールとし,様々な液体を充填することで表面に堆積塗布する装置の開発に取り組んでいる.ここではこれを用いた単一細胞への分子導入への応用例について述べる。
2)原子間力顕微鏡(AFM)マニピュレータによる顕微解剖
走査型電子顕微鏡(SEM)との複合化装置としてSEMの真空チャンバー内ステージ上に搭載可能な小型のAFM型マニピュレータの開発について紹介する.本装置はSEM観察しながらAFM観察が可能である.また,AFMをマニピュレータとして微細加工に用いる際にもSEM観察でモニタリングしながら動作可能であり,高い操作性を有している.ここでは、本装置を用いた顕微解剖例について紹介する。
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