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O12-04 : Clostridium beijerinckii SBP2-HB株におけるブタノール生成と糖利用性の解析
Posted On 20 10月 2014
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1東農工大・院・連合農, 2茨城大・農, 3東京文化財研
バイオブタノールはバイオ燃料として一般的に普及しているバイオエタノールと比較して高燃焼性、低腐食性であるため、次世代バイオ燃料として注目を集めている。また、バイオ燃料作物として、熱帯~温帯の広域で栽培でき、低栄養の土地での栽培も可能であるスイートソルガムが注目されている。本研究では、スイートソルガムからバイオブタノールを生産するシステムの開発について報告する。これまでに、茨城大学農学部内の畑地土壌からブタノール生成菌を分離し、スイートソルガム搾汁液(SSJ)からブタノールを高生産するClostridium beijerinckii SBP2-HB株を育種した。SBP2-HB株をSSJでバッチ培養した場合、最大ブタノール生成量は約110 mMであった。このバッチ増殖で、SSJ中に含まれるグルコースとフルクトースが先に消費され、最も含有量の多いスクロースは残存した。ケモスタット連続培養法による解析では、pH 7.0ではブタノール生産が起こらず、pH 4.5に下げて、グルコース過剰(40 mM)、希釈速度>0.15 h-1の条件でブタノール生産に代謝がシフトした。一方、スクロース過剰(20 mM)となる条件では、pH 4.5、希釈速度>0.15 h-1の時でもブタノール生産は低下し酪酸生産に代謝がシフトした。スクロースの単糖への分解が律速になっているため細胞内が糖制限になっていることが推察された。なお、バッチ培養では、初期pH 4.5の条件では、増殖速度が著しく阻害され、グルコースやスクロースの消費もみられなかった。今後更に、ケモスタットでpHによる糖代謝の変化を解析する。
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