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O12-02 : Sphingobium sp. SYK-6株のフェニルクマラン型リグニン二量体化合物代謝系の解明
Posted On 20 10月 2014
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1長岡技科大・生物, 2森林総研, 3Dep. Environ. Engineering and Green Technol., Malaysia-Japan International Institute of Technology, 4Universiti Teknologi Malaysia, 5日大・生物資源, 東農工大・院・生物システム応用科学府
SYK-6株は、さまざまなリグニン由来の二量体及び単量体化合物を唯一の炭素源・エネルギー源として生育できる。本研究では、リグニン生合成の初期に主要な二量体の一つとして生成し、リグニン中で約3-10%を占めるフェニルクマランの代謝系遺伝子に着目した。
SYK-6株においてフェニルクマラン型化合物のdehydrodiconiferyl alcohol (DCA) は、初めにB環側鎖γ位がカルボン酸に酸化されたDCA-Cに変換される。次にA環側鎖γ位が酸化し脱離した後、α-β開裂を受けて代謝される。これまでにDCAからDCA-Cへの変換に複数のアルコール及びアルデヒドデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子が関与することを明らかにしてきた。本研究ではDCA-C変換酵素遺伝子について解析を行った。
SYK-6株の細胞抽出液を用いたDCA-Cの分解実験からDCA-C変換酵素は膜画分に存在し、反応にFADを要求することが示唆された。また、DCA-C変換活性はDCA培養時に弱く誘導されることが示された。これらの結果に基づき、DNAマイクロアレイによってDCA培養時に誘導される遺伝子からDCA-C変換酵素遺伝子を探索した。その結果、GMC oxidoreductase familyに属する酵素遺伝子と相同性を示すphcCとphcDが見出された。両遺伝子の破壊株のDCA-C変換活性がSYK-6株と比較して有意に低下したことから、これら遺伝子がDCA-C変換に関与することが示された。phcC及びphcDを異種宿主で発現させ、DCA-C変換能を調べた結果、DCA-Cの変換が観察された。
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