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P22-15 : 芳香族化合物複合汚染土壌から培養非依存的手法で取得したインディゴ生成活性に関与するコスミドクローンの解析
Posted On 20 10月 2014
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1東北大・院・生命
原油汚染土壌のような長期間「集積」された実環境では、原油成分分解に特化した細菌集団が優先しており、培養非依存的手法を用いても既知の分解遺伝子しか取得できない可能性が示唆されている。そこで、本研究では、新規芳香族化合物分解遺伝子の取得を目的として、4種の芳香族化合物(3-クロロ安息香酸、フェナントレン、ビフェニル、カルバゾール)で汚染化した土壌由来のメタゲノムDNAコスミドライブラリーを構築し、ナフタレン分解細菌のナフタレンジオキシゲナーゼ活性欠損株にインディゴ生成活性を付与するクローンをスクリーニングした。その結果、合計29の陽性コスミドが取得され、これらは制限酵素消化パターンなどから10グループに分類できた。さらに、インディゴ活性を担う領域特定とともに、陽性コスミドの全挿入DNA領域の塩基配列解析を行ったところ、既知のフェノールヒドロキシラーゼ遺伝子、カテコール1,2ジオキシゲナーゼ遺伝子、カテコール2,3ジオキシゲナーゼ遺伝子と相同性を示す遺伝子を見出し、これらの当該機能を確認した。さらに、インディゴ生成活性には関与するが、既知の初発酸化酵素遺伝子とは相同性が低く、新規性の高い複数の推定分解酵素遺伝子も得られ、それらの機能解析を現在進めている。一方、我々は、本研究で用いた汚染化土壌について、次世代型シーケンサーを用いた大量配列解析により、汚染化によるメタゲノムDNA配列の経時的変動を実施している。本研究で取得した陽性コスミドが保持するDNA配列は、汚染化土壌特異的に高比率で存在し、少なくとも汚染化に伴い存在比率が増加したDNA領域であることが明らかになった。
keywords:メタゲノム,環境汚染物質分解,,,