P19-11 : ベトナム土壌からのダイオキシン分解菌の探索と解析
Posted On 20 10月 2014
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1静大院・工・化学バイオ, 2静大・創造科技院
ベトナムの土壌や地下水は、ベトナム戦争時に散布されたダイオキシン類を含む枯葉剤によって現在も汚染されている。このような広範囲の汚染土壌を浄化するには、従来の掘削除去では莫大なコストを要するため現実的ではない。そこで当研究室では、微生物の多様な代謝機能と進化機構を利用した、低コストな新規浄化技術を開発するため、ベトナムと共同研究を行っている。本研究では、まずベトナム土壌からダイオキシン類の分解菌を探索・単離し,どのような分解遺伝子を有するかを調べた。ダイオキシン類としては、dibenzofuran(DF)とdibenzo-p-dioxin(DD) を用いた。枯葉剤が散布されたベトナム土壌を、2 mLのW最少液体培地に加えdibenzofuran (DF) (100 mg/L)を添加して1週間毎に新たな培地に植え継ぎ、分解菌の集積を試みた。その後、唯一の炭素源としてDFを添加したW固体培地に、培養液を加え画線し、30℃で1週間静置培養した。その結果24株のDF分解菌と3株のDD分解候補株を得た。DF分解菌のうち、5株について16SrRNA遺伝子解析を行った結果、いずれもPaenibacillus 属と推定された。5株のゲノム構造の比較をrep-PCRによって調べたところ、互いに異なるゲノム構造を持つと推定された。また、縮重プライマーを用いたPCRとシーケンス解析の結果、既知のDF分解遺伝子と相同性の高い遺伝子を得ることができた。現在DD分解候補株の同定を行っており、Arthrobacter属およびSinomonas属に属することが示唆された。
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