P19-08 : 塩害土壌におけるファイトレメディエーションに植物生育促進細菌を接種した影響
Posted On 20 10月 2014
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1農工大院・BASE
ファイトレメディエーションは他の土壌洗浄法に比べてローコストであり、広範囲の汚染物質の除去が可能であるメリットがあるが、除去能はバイオマスや生育速度に頼る点がデメリットとしてあげられる。本研究では窒素固定菌(NFB)を接種した植物体を用い、津波による塩害土壌におけるファイトレメディエーションへの影響を調査した。植物試料としてソルガム(つちたろう:TT、グリーンソルゴー:GS)を用いた。①NFBの単離:2品種のソルガムの種及び福島県塩害土壌から、希釈平板法(NaCl濃度1.0%無窒素培地)で細菌株の単離を行い、半流動培地を注入したガスクロバイアルにそれらを植菌し、アセチレン還元法にて窒素固定能の計測を行った。②接種試験:室温で1/10NB液体培地でソルガム種子から単離した窒素固定菌24株を3日間培養した。24株(R1~24)を6株ずつ分けたものを用意し、それぞれの菌液の濃度を107CFU/mlに調整した。菌液内に表面殺菌処理を施したソルガムの種子を浸し、デシケータ内で減圧することで種子接種を行った。5×5セルトレイに1セルあたり赤玉土50g(NaCl濃度0%、0.8%、1.0%)を充填し、種子接種した種を7株播種し、3週間生育させ、発芽率、草丈、乾重量、SPAD、収量を求めた。ソルガム2品種の種子と相馬土壌から合わせて42菌株の窒素固定菌を単離できた。NaCl濃度0.8%、1.0%区で2品種間を比較するとGSでR1~6を接種した区で、草丈が高くなる傾向が見られた。この結果から、塩害地におけるバイオマス生産増加によるファイトレメディエーションの効果向上が示唆された。
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