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O29-06 : ウレアホルム型緩効性肥料の植物共生細菌群集への影響評価
Posted On 20 10月 2014
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1農研機構・北海道農業研究センター, 2サンアグロ(株), 3鹿児島県農総セ, 4農研機構・東北農研セ,
【目的】緩効性肥料を有用共生微生物との共存を可能にする施肥技術と位置づけ、化学構造が単純な緩効性肥料であるウレアホルム型緩効性肥料(UF)の作物共生細菌群集への影響評価を行った。
【方法】北海道内の生産者圃場において生産者の慣行肥料とUFを施用してタマネギとテンサイを栽培し、収穫時期にタマネギ塊茎とテンサイ主根を採取した。これらのサンプルについて、16S rRNA遺伝子解析により、ウレアホルム型緩効性肥料(UF)の植物共生細菌群集への影響評価を行った。また、鹿児島県農業開発総合センターの試験圃場において慣行肥料とUFを施用してジャガイモを栽培し、空中分画法により根圏土壌を採取した。それらについても同様に、根圏細菌群集への影響評価を行った。
【結果】群集構造解析の結果、UFの施用によりタマネギとテンサイのいずれの作物においても共生細菌群集の多様性が大きく増加する傾向が認められた。主座標分析(UniFrac PCoA)の結果、今回の実験条件下のタマネギとテンサイの両作物においては共生細菌群集構造の変動の約30%が施用された肥料の種類により説明可能であることが示唆された。また、それらの細菌群集構造の変動はUFの施用により一定の方向性を持つこともPCoAの結果から示され、共生細菌群集の特定の菌群がUFの施用に反応していることが示唆された。特に、タマネギ塊茎においてはUF施用によりMethylobacterium属やSphingomonas属等の菌群が大きく増加していることが示された。、ジャガイモ根圏土壌細菌群集に対するUFの影響は上記のタマネギとテンサイ共生細菌群集よりも少なかった。
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