O29-08 : Bacillus pumilus TUAT1株芽胞を原体とするバイオ肥料の性状および育苗時の施用効果
Posted On 20 10月 2014
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1京都農技セ・生資セ, 2朝日工業(株), 3農工大
演者らは、イネに対する増収効果を示すBacillus pumilus TUAT1株(以下、TUAT1株)について、芽胞を接種源とすると根量増加効果および根部定着性が向上することを既に報告した(小野ら、2013)。本講演では、TUAT1株芽胞を原体として試作した粒状肥料(以下、バイオ肥料)の性状およびイネに対する育苗時の施用効果を報告する。バイオ肥料はTUAT1株をTrypticase soy培地で振とう培養して得た芽胞の滅菌水懸濁液(108 cfu/mL)をシリカゲルと珪藻土を混合したキャリアに吸着させ、70℃で乾燥・造粒して製造した。乾燥開始から経時的に肥料中の水分率および菌数を調査するとともに、製造して直ぐに肥料袋に密封後、25℃で一定期間保管後の残存菌数を調査した結果、肥料中の水分率が10%以下では菌数は106 cfu/g以上を維持でき、製造後1年を経過しても菌数が減少しなかったが、水分率が20 %以上では保管2ヶ月後で菌数が1/100に減少した。施用試験はバイオ肥料(水分率6.3%、菌数2.7×107 cfu/g)を5%(w/v)に混和した育苗培土で2週間育苗後、リンカアン14号を0.5g添加した無肥料育苗培土500mLを充填したポットに移植し、38日間ガラス温室で育成した。その結果、バイオ肥料施用区では対照区(同肥料無施用)に比べ根重が有意に増加し、根内および根面での定着菌数は約105 cfu/g rootであった。以上の結果から、本方法により製造したバイオ肥料は、TUAT1株培養によって得た芽胞を接種源とした場合と同等の接種効果が得られる可能性が示唆された。
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