P16-30 : 土壌酵母Lipomycesの油脂生産能力と棲息環境の関係
Posted On 20 10月 2014
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1山梨大・院・医工総合・生命
【背景と目的】 Lipomyces属酵母は菌体内脂肪球として中性脂質を蓄積する性質を有し、通常、土壌から分離される。我々は、近年、この酵母を用いてバイオマスのような再生可能資源からBDFの原料となる植物油脂を生産する研究を行っている。この研究においては、油脂生産能力の高い菌株を取得するためのスクリーニングは重要な項目である。その場合、油脂生産能力と地域、気温、植生など棲息環境との関係が明確になれば、新たな菌株を取得する際の効率的スクリーニングを可能にする。 本報告では、これまでに全国の土壌から分離したLipomyces属酵母菌株を対象に炭素源や温度を変化させた培養実験を行い、油脂生産能力と地域、気温、植生の関係についての解析を試みた。 【方法】 日本各地から分離した320の野外菌株をでんぷん、果汁、キシロースなどを炭素源とした培地に接種し、20、28、35℃で培養した。生育してきた菌の菌体内に形成される脂肪球の体積を測定し、この値の大きなものを油脂生産能力の高い菌株とした。 【結果と考察】 沖縄を分離地域にした場合は、 [35℃培養で油脂生産能力の高い菌株数/その地域における分離数]の値が他の地域の場合よりも高いことがわかった。一方、培養温度20℃で油脂生産能力の高い菌株における地域特性は、35℃の場合のようにはみられなかった。酵母を分離した場所の植生(炭素源)とそこから取得した菌株の油脂生産能力の関係の解析結果についても報告する。
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