P16-27 : Methylobacterium属細菌の時計遺伝子kaiCホモログはストレス耐性に関与する
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1京大・院・農・応用生命, 2京大・院・理・植物, 3JST・ALCA
【背景】シアノバクテリアの概日時計を司る時計遺伝子kaiCのホモログが、Proteobacteria細菌やアーキアのゲノムに見つかっている。シアノバクテリアの概日時計は昼夜変動に応じた代謝調節の役割を担うが、これら非光合成生物が所持するkaiCホモログの機能は不明である。α-Proteobacteriaに属するMethylobacterium属細菌は土壌や水、空気中など多様な環境に生息しており、また葉圏では主要な表在細菌として植物と相利共生関係にある。我々は本細菌のkaiCが、植物表層で受ける環境変動への適応に寄与しているのではないかと考え、Methylobacterium属細菌のkaiC遺伝子の機能解析を行った。 【結果】M. extorquens AM1株のゲノム配列中には、2セットのkaiオペロン、kaiC1-B2-B1-R1とkaiC2-R2が存在する。各kaiC遺伝子の破壊株を作製して表現型の解析を行った。液体培養での生育は、野生株と破壊株とで同等であった。一方、シロイヌナズナへの定着能は、両kaiC破壊株とも野生株の半分程度まで低下していた。ところで様々な微生物においてストレス耐性能が植物定着に重要であることが報告されている。そこで、各種ストレスへの耐性能を試験した結果、M. extorquens AM1株の kaiCはストレス耐性を正に制御し、植物定着にも重要な働きを持つことが示唆された。
keywords:methylotrph,methanol,circadian clock gene,plant colonization,stress resistance