P16-25 : 好酸性鉄酸化細菌を用いた廃電子基板のバイオリーチングにおけるpH及び鉄濃度の影響
Posted On 20 10月 2014
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1秋田県大・生資科, 2秋田県大・システム科学技術, 3静岡県大・食品栄養科学
先端技術を有する一方で資源の乏しい我が国において、廃棄物等からの有用金属の回収・再資源化は、産業の発展において重要である。しかし現在、電子基板中にレアメタルやレアアースなど種々の有用金属を含むパソコンや携帯電話等からの金属類の有効な回収・再資源化技術は確立されていない。我々は、微生物を用いて金属類を浸出させるバイオリーチングに着目して研究を行っている。これまでに、バイオリーチングに適用可能な好酸性鉄酸化細菌の集積培養系NEを得た。この細菌集積系は、45℃、pH1.8−1.9、7 mM Fe2+の条件で培養した。この培養条件で廃電子基板のバイオリーチングを行った場合、pH2.2以上になると、生じたFe3+が酸化鉄として沈殿し、リーチング効率が低下することが示された。pH1.8—1.9の制御下でバイオリーチングを行い、効率的に銅やニッケル等をリーチングできることを明らかにした。廃電子基板のバイオリーチングの既往研究では50—270 mM 程度のFe2+を添加しているが、集積系NEを用いて3—30 mM Fe2+濃度で試験した結果、7 mMで最もリーチング率が高く、既往研究と比較して、低濃度のFe2+ 添加で効率よく廃電子基板をバイオリーチングできることがわかった。
本研究は平成26年度環境研究総合推進費補助金(課題番号3K133012)の助成を受けて行った。
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