P16-15 : 海洋性エタン資化性菌の諸性質とその初発酸化酵素遺伝子
Posted On 20 10月 2014
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1芝浦工大・院・シス理工・生命, 2筑波大・生環系, 3産総研, 芝浦工大・シス理工・生命
メタン資化性菌のMMO(Methane Monooxygenase)には銅濃度が限られた条件下で発現するsMMO型と銅を活性中心とするpMMO型が知られている。海洋性エタン資化性菌ET-HIRO株、ET-SHO株は2つのpMMO型の遺伝子を有し、16S rRNAの系統解析からは、メタン資化性菌以外報告のないMethylococcaceae科に属すことが見出されている。ただ、その2つのpMMO遺伝子については、エタン酸化との関係が明確にされていない。そこで、基質等の条件変化によるそれら遺伝子の発現と、培地中銅濃度と基質の条件変化による生育試験から当菌株のpMMO類似酵素とエタン酸化の関係を明らかにすることを目的とした。エタン、エタノール、酢酸ナトリウムを基質として両菌株を生育させRT-PCR法による転写解析を行ったところ、全ての基質でpmo clusterⅡの発現が確認された。また、ET-HIRO株を短鎖アルカンとその他の基質で生育させ同様に転写解析を行ったところ、全ての基質でpmo clusterⅡの発現が確認された。また、全ての基質でpmo clusterⅠの発現は確認できなかった。この結果から、pmo clusterⅠはこれら基質の酸化には関与していないことが示唆された。ET-HIRO株の培地中銅濃度と基質の条件変化による生育試験では、エタンとイソブタンの基質で銅濃度が低いと生育が阻害され、ピルビン酸では濃度に依存なく生育することがわかった。この結果から、ET-HIRO株のpmo cluster Ⅱは構成的に発現しており、アルカン酸化に関与していることが示唆された。
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