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P22-30 : 植物共存細菌の多様性解析におけるLocked Nucleic Acid(LNA)オリゴヌクレオチドを用いた選択的PCR増幅法
Posted On 20 10月 2014
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1鹿児島大・農, 2鹿児島大・院・農, 3, ,
植物に共存する細菌は、植物の生育に対して重要な影響を及ぼしており、それらを農業利用するには、植物共存細菌の多様性を解析する事が不可欠である。しかし、SSUrRNA遺伝子を標的とした解析では、植物オルガネラのDNAも抽出時に混入し、細菌プライマーで過剰にPCR増幅される重大な問題が存在する。本研究では、オルガネラ遺伝子に特異的な配列を持つLNAオリゴをプライマーのアニーリング部位と競合する位置に設計し、オルガネラ遺伝子のPCR増幅を抑制する事によって、イネ・ダイズ各部位に共存する細菌群遺伝子の選択的なPCR増幅を行った。また、本増幅法が植物共存細菌の多様性解析に有効な手法であるか否かを、DGGE法を用いて検証した。方法:イネ・ダイズを畑状態で3週間栽培し、約20本の幼苗から部位毎に試料を採取した。試料表面を洗浄後、磨り潰してDNAを抽出した。LNAオリゴは、細菌・オルガネラのSSUrRNA遺伝子を、プライマーと伴にアライメントし、オルガネラに特異的な塩基をLNAに置換して設計した。LNAオリゴを加えて、植物共存細菌の遺伝子を選択的にPCR増幅した後、DGGE解析を行った。 結果考察:オルガネラ遺伝子のPCR増幅を抑制するLNAオリゴの濃度を検討したところ、ミトコンドリアでは4.0μM以上、プラスチドでは0.5μM以上であった。次に、DGGE法を用いて各部位における植物共存細菌の多様性解析を行った。その結果、LNAオリゴ使用しない従来法では検出されなかった複数の新規なバンドが、LNAオリゴを使用する事で検出され、本増幅法は植物の部位を問わず多様性解析に有効な手法である事が示された。
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