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P22-22 : テンサイから分離した生育促進細菌のホウレンソウへの接種効果
Posted On 20 10月 2014
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1近畿中国四国農研セ, 2北農研セ
【背景および目的】テンサイの生育促進菌の取得を目的として、分子生態学的手法を活用して圃場環境中で安定して植物に定着している有用微生物の探索を試み、テンサイより分離した細菌から生育促進効果を示す菌株を選抜した。微生物資材としての適用範囲の拡大を目指し、テンサイより分離した有用微生物の候補菌株について、同じ科の作物であるホウレンソウに対する接種効果を検討した。
【方法】滅菌した市販培土(げんき君果菜200)をつめたプラグトレー(4.5 cm×4.5 cm×5 cm)に、ホウレンソウ種子(おかめネーキッド、タキイ種苗、濾紙上で18℃、48時間発芽処理)を4粒ずつ播種し、子葉展開期に健全な3株を続けて栽培した。接種菌株としてテンサイから分離した23菌株を供した。R2A培地またはTSA培地で培養した菌体を集菌し、菌体懸濁液を調製した。菌体懸濁液を1ポットあたり1×109個となるように接種し、25℃、明期16時間、暗期8時間で栽培した。3週間経過後、植物体をポットから抜き取り、根部に付着した土塊を流水で洗浄除去し、植物体の生重量を測定した。
【結果および考察】ホウレンソウにテンサイより分離した生育促進候補菌株を接種した結果、多くの菌株において生育促進効果が認められ、分離源がテンサイでありながらホウレンソウでも生育促進を示すことが明らかとなった。接種効果が現れる部位別では、菌株毎に異なる特徴が認められたが、ホウレンソウの場合は、可食部である地上部に生育促進が大きい菌株が実用的と考えられ、今後実施する屋外試験のための基礎的なデータが得られた。
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