P16-14 : Rhodococcus属細菌の有機溶媒耐性におけるgroEL2の影響
Posted On 20 10月 2014
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1日大・生資科
【目的】われわれはこれまでに、PR4株が培地/アルカン二相培養系において、アルカン相表面に吸着して存在する「吸着型」、アルカン相内に転移して存在する「転移型」の二つの局在性を示すことを明らかにし、さらに、細胞のアルカン相内での生育には、シャペロニンの一種であるGroEL2の発現上昇が重要であること示した。本研究では、より毒性の高いアルカン存在下での生育を強化するため、groEL2の強制発現が各種Rhodococcus属細菌の有機溶媒耐性に与える影響を検討した。
【方法と結果、考察】各種Rhodococcus属細菌からgroEL2をPCRにより取得し、発現ベクターにクローニングし、形質転換(TF)した。得られたTF体を二相培養系に供し、細胞の局在性を検討した。その結果、供試した株のいくつかで、親株が吸着型を示すアルカン相内に転移して生育する様子が確認された。また、生育できるアルカンの炭素鎖数の範囲を検討したところ、親株が生育できなかった短鎖のアルカンでも生育できるようになった。特にR. rhodochrous ATCC12674株にPR4株由来のgroEL2遺伝子を導入した場合、アルカンの中でも毒性の高いもののひとつであるn-オクタン添加条件において転移型で生育している様子が確認された。続いてGroEL2の発現を検討したところ、親株に比べ有意に上昇していた。以上の結果から、groEL2遺伝子はPR4株だけでなく、他の株にも溶媒耐性の上昇をもたらすことが示唆され、また、本手法がRhodococcus属細菌の有機溶媒を上昇させる有用な手法であることが考えられた。
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