P16-05 : 寒天培地上でシアノバクテリアを増殖させるBacillus subtilis 168の関与遺伝子の同定
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1島根大・生物資源
【目的】我々が継代培養しているシアノバクテリアSynechococcus leopoliensis CCAP1405/1株は、CT、1/10PTYG液体培地で増殖するが、寒天培地では増殖しない。しかし、Bacillus subtilis 168などの従属栄養細菌を同一寒天培地で共培養すると1405/1株が増殖する。共培養した細菌が寒天培地での増殖阻害を解除していると予想された。そこで本研究では、B. subtilis 168が寒天培地で1405/1株を増殖させる能力に関与する遺伝子を同定し、この機構の解明を試みた。【方法】国立遺伝学研究所において構築されたB. subtilis 168の遺伝子欠損ライブラリーの全2515株から、寒天培地で1405/1株を増殖させる能力を欠損した株をスクリーニングし、関与遺伝子を同定した。【結果と考察】CTまたは1/10PTYG寒天培地で1405/1株を増殖させる能力を欠損した9株を得た。欠損遺伝子の推定機能は、トランスポーター(yxeO、yufO)、ヒスチジンキナーゼ(yxdK)、反応酵素(sdhC、yvgQ、yvgR、acoB、yusE)、機能未知(yrdA)の4グループに分類された。yxeO、yvgQ、yvgRはシステインの輸送、生合成に関与していることが推定された。そこで、寒天培地にシステインを添加するとyvgQ、yvgR欠損株の1405/1株を増殖させる能力が相補され、システイン合成経路の関与が示唆された。また、推定機能の関連性が低い遺伝子が関与遺伝子として同定されたことから、この機構には様々な因子が関与していると考えられる。
keywords:growth,cyanobacteria,Bacillus subtilis 168,agar media,