P14-07 : 耐アルカリ性を有するPHA合成新規細菌の探索

伊藤 駿¹,柘植 丈治²,水野 康平¹
1北九州高専・物質化学, 2東工大・院・総合理工
【目的】PHA（ポリヒドロキシアルカン酸）の微生物生産では、分子量や共重合体の組成が菌種と炭素源によって変化するので、新規PHA合成細菌の探索は重要である。そこで、本研究では、研究例の少ない耐アルカリ性Bacillus属に着目し、新規PHA合成菌の分離を試みた。
【方法・結果】鍾乳洞由来試料（pH8.5）からアルカリ耐性菌Bacillus sp. CR-4を分離した。CR-4は、¹H-NMR測定によりPHA合成を確認したため、菌種同定を行った。その結果、16S rRNA遺伝子の600 bp断片による解析から、pH11.5で生育が報告される好アルカリ菌であるBacillus niacini と近縁であった。また、R2A培地でpH8.0～10.2、30℃で生育した。その他の形態、生化学的性状も検討した。次に、Bacillus 属のPHA synthase遺伝子phaCを基に独自に設計したプライマーを用いて、CR-4のphaCをクローニングした。その結果、現在、Bacillus属タイプ（Class IV）のphaCには2つのsubgroupが既に知られているが、CR-4のphaC は、ゲノム公開アルカリ耐性Bacillus属のphaC候補遺伝子と共に、これまでにPHA合成の報告のない新規なsubgroupを形成するものである可能性が示唆された。

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