P14-03 : ナタマメ根粒から分離された細菌株のDNA-DNA交雑法とMALDI-TOF/MSによる類別
Posted On 20 10月 2014
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1静岡理工大・院・理工, 2静岡理工大・理工, 3東京農工大・院・農, 中東遠総合医療セ
【目的】ナタマメ(Canavalia gradiata)は福神漬、健康茶、歯磨粉の原料として用いられるマメ科植物であるが、その根粒菌の研究例は殆どない。我々は、ナタマメ根粒から55株の細菌株を分離し、16S rRNA遺伝子(16S rDNA)の塩基配列を決定した。その結果、27株はBradyrhizobium elkaniiと99%以上、6株はRhizobium tropiciと99%以上、4株はR. tropiciと95~98%の相同性を示した。本発表では、分離株と近縁基準株とをDNA交雑実験とMALDI-TOF/MS解析で比較した。
【方法と結果】B. elkaniiに近縁な10株について、DNA交雑実験を行った結果、B. elkanii基準株USDA76株とは、MI8株(58%)以外の分離株は70%以上の相同性を示した。MI8株はB. elkanii USDA94株と約90%の相同性を示した。MALDI-TOF/MSのスペクトラムの類似性によっても、これらの10菌株は、いずれもB. elkaniiであると判定された。以上から、これら10株の分離株はB. elkaniiであると結論した。一方、Rhizobium属の分離株7株については、16S rDNAの相同性が99%以上の3株はR. tropici基準株CIAT899株とのDNA交雑実験で64%~75%の相同性を示したため、R. tropiciと結論した。16S rDNAの相同性が95%~98%の4株はDNA交雑実験の相同性が38%~49%であり、R. tropici以外の種であると考えられる。
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