P11-3 : アカテガニ消化管からのバイオマス分解細菌の単離
Posted On 20 10月 2014
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1石川県立大・生物資源工研, 2石川県立大・生物資源環境学
日本の海岸に面した森林、いわゆる水辺林では甲殻類の陸ガニやエビなどの生息がよく観察される。これらの甲殻類は落ち葉や木片などのバイオマスを食料として利用する。甲殻類は森林物質循環と河口域の生態系(特に魚類生産)の中で重要な役割を果たしているが、そのバイオマス分解メカニズムはほとんどわかっていない。本研究ではアカテガニを材料として、バイオマス分解システムを明らかにし、バイオマス有効利用技術への応用をはかることを目的としている。これらのアカテガニ類は木や葉といったバイオマスのみで生育可能であり、強力なバイオマス分解能力を持っている可能性が高い。本研究ではアカテカニの消化管からバイオマス中のセルロースやリグニンを分解できる細菌群の単離を試みた。加賀地方や能登地方の水辺林に生息するアカテガニから新規バイオマス分解細菌を単
離、解析した。解剖したアカテガニの消化管から15種類の細菌が得られた。これらの菌を同定するために16S rRNAの塩基配列を決定した。バイオマス分解活性結果として、得られた菌株のほとんどがセルロース分解活性を示し、TLC で活性を調べたところ、いずれの場合も CMC はグルコースにまで分解されていた。一方でリグニンを分解する可能性がある菌株は6株であった。上記単離菌のうち、セルロースとリグニンの両方に反応性を示したものはShewanella属、Bacillus属、Staphylococcus属であった。
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