O27-01 : 複数のジャガイモ栽培体系における土壌微生物群集構造と土壌の化学性および土壌病害の発生程度の関係性
Posted On 20 10月 2014
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1長崎農技セ, 2中央農研, 3現長崎県北振興局農林部, 4現長崎防除所
【背景・目的】持続可能なジャガイモ有機栽培体系の確立に向け、複数の施肥技術と土壌消毒を含む病害虫管理技術を組合せた栽培体系における土壌化学性の変化、各種病害虫の発生程度について調査を行っている。本研究では、各種栽培体系における土壌微生物群集構造と土壌の化学性および土壌病害の発生程度との関係性について調査した。【方法】長崎県農林技術開発センター圃場(長崎県雲仙市愛野町:表層腐植質黒ボク土)に2012年春作から、複数の資材による施肥、土壌消毒技術および地上部の病害虫管理技術を組合せた合計5種の栽培体系区を設置した。すなわち、各種技術の組合せの異なる2種の有機栽培区(チャレンジ有機栽培区および慣行有機栽培区)、無農薬有機栽培区、無農薬慣行栽培区、慣行栽培区を設置した。ジャガイモ3作栽培後の2013年5月(春作栽培後)に土壌を各区から採取し、PCR-DGGE法により一般細菌・糸状菌・放線菌の群集構造を調査した。また、各群集構造と土壌の化学性および土壌病害との関係性を解析した。【結果・考察】微生物群集構造と土壌の化学性およびそうか病発生程度の関係を正準対応分析により解析した結果、糸状菌群集構造に影響を及ぼす土壌化学性の因子として、pH、EC、トルオーグリン酸が見出された。一方、土壌微生物群集と発病塊茎率との間に相関関係は認められなかった。DGGEプロファイルに基づくクラスター解析の結果、一般細菌および放線菌群集構造には土壌の消毒方法が影響を与えるのに対し、糸状菌群集構造には肥培管理等が影響を与えることが示唆された。
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