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O21-04 : ヨウ素酸化酵素IoxAの系統的多様性と環境分布
Posted On 20 10月 2014
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1千葉大・院・園芸, 2理研BRC-JCM
ヨウ化物イオン(I–)から分子状ヨウ素(I2)への酸化は、放射性ヨウ素を含むヨウ素の循環において重要な反応である。我々はこれまでに、天然ガスかん水や海水からAlphaproteobacteria綱に属する多数のヨウ素酸化細菌の分離に成功している。これらはRoseovarius toleransに近縁なグループAと、Kordiimonadales目のグループBから構成される。グループBに属するQ-1株のドラフトゲノム解析や内部アミノ酸解析などから、ヨウ素酸化酵素は系統的に新規なマルチ銅オキシダーゼIoxAと機能未知タンパクIoxCの複合体であることが分かっている。本研究ではIoxAの系統的多様性と環境分布を明らかにすることを目的とした。まず、グループAに属するA-2株の生産するヨウ素酸化酵素をLC-MS/MS解析した結果、本菌株のヨウ素酸化酵素もIoxAとIoxCで構成されることが分かった。次に、ゲノム中にioxAとioxCのホモログを有する土壌細菌Rhodanobacter denitrificans JCM17642を銅イオンと共に培養すると、可溶性画分にヨウ素酸化反応が確認された。これはGammaproteobacteria綱の細菌で初めて確認されたヨウ素酸化反応である。さらに、グループAとBに属する複数のヨウ素酸化細菌のIoxAアミノ酸配列を解析し、これら配列をもとにioxA特異的プライマーを設計した。これを土壌や海水など各種環境試料に適用したところ、PCR増幅が確認された。現在これら推定ioxAの解析を進めている。
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