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O13-09 : 2,4-D分解菌Y1株による汚染土壌浄化における微生物相の多様性評価
Posted On 20 10月 2014
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室蘭工大院・工・応用理化学
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)は、有機塩素系農薬の一種であり、除草剤として世界中で広く使用されてきた。2,4-Dは残留性が高く、土壌から検出される事例もあることから、経済的で効果的な処理方法が世界各地で研究されている。一方、当研究室での既報の研究により、2,4-D分解能を有するCupriavidus sp. Y1菌株の利用可能性が判明した。そこで、本研究ではPCR-DGGE法を用いて2,4-D分解菌Y1株による汚染土壌浄化における微生物相の多様性評価を行った。模擬汚染土壌は、2,4-Dを土壌に吸着させ、2,4-D の最終濃度が100 mg/kg-乾土になるように室工大学周辺の森林土壌を用いて作製した。非滅菌土壌と非滅菌土壌にY1株を加えた両方の土壌を用意し、Y1株以外の菌が2,4-D分解に与える影響について検討した。各日数経過後、土壌中の残留2,4-D濃度と生菌数を評価した結果、Y1株の接種有無に係らず2,4-Dの分解と濃度の減少に連動した生菌数の増加が確認できた。また、DGGEの泳動パターン、即ちバンドの強度および数を0日と7日(分解完了時点)を比較した結果、非滅菌土壌のみの条件より非滅菌土壌に2,4-Dを加えた条件で明らかに濃いバンドが見られ、さらにY1株を接種した非滅菌土壌でより多くのバンドが見られた。この結果より、環境土壌中にはY1株以外にも分解能を有する微生物が存在し、Y1株と競合することなく、効果的に2,4-Dを分解できるということが結論づけられた。さらに、T-RFLP法を用いて群集構造のパターン変化を分析し、DGGE解析結果と比較した。
keywords:2,4-D,Cupriavidus sp. Y1,DGGE,,