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O13-05 : 高活性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株によるイミダクロプリド分解機構の解明
Posted On 20 10月 2014
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1静大院・農, 2静大・グリーン研, 3静大・創造科技院
イミダクロプリド(IMI)は、ネオニコチノイド系殺虫剤であり、昆虫神経のシナプス後膜のニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経の興奮とシナプス伝達の遮断を引き起こすことで殺虫活性を示す。最近EUは、ネオニコチノイド系農薬のうち 3 種の殺虫剤の暫定使用禁止措置の実施を決定した。また、広く使用されているIMI及びアセタミプリドが脳の発達を阻害し、人間の健康に危険を及ぼす恐れがあるとの警告を発した。そこで本研究では高活性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株によりIMIの分解および分解機構の解明を試みた。
前培養したP. sordida YK-624株を10 mLのKirkまたはポテトデキストロース(PD)液体培地に接種し、30℃・5日静置培養した。これにIMIを添加し、さらに培養を行った。培養後、内部標準物質と20 mLアセトンを添加し、破砕した。上澄み液をエバポレーターにて濃縮・乾固し、10 mL MeOHにて再溶解させ、HPLC分析に供した。Kirk及びPD液体培地においてIMIの分解を試みたところ、20日間培養後、PD液体培地ではIMIの分解が認められなかったに対して、Kirk液体培地において約90%のIMI減少率が認められた。本結果より、IMIの分解にリグニン分解関連酵素系が寄与していないことが予想された。 またIMI代謝産物の構造を決定するため、P. sordida YK-624株をKirk液体培地5 Lに接種し、5日間培養後、IMIを添加し、さらに15日間静置培養を行った。現在、IMI代謝産物を単離精製し、構造決定を行っている。
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