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O31-05 : 沖縄浅海域におけるミドリイシ属サンゴ共在細菌叢の年変動
Posted On 20 10月 2014
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1早稲田大学 ナノ理工学研究機構, 2JST-CREST, 3琉球大・理, 4早大院・先進理工, 5琉球大・熱帯セ
【目的】サンゴには多様な微生物が共在している。サンゴ共在細菌叢は環境条件により変動することから、サンゴ共在細菌叢の動態に関する知見は当該海域の環境評価に有用であると考えられる。そこで本研究では、サンゴ共在細菌叢と宿主サンゴの生育環境との関係の解明を目的として、環境の特徴が異なる2定点のサンゴ共在細菌叢と環境の物理化学的因子の年変動を解析した。
【方法】沖縄県瀬底島周辺の、湾内の遮蔽的環境である地点 (石川原) と、外洋に面した開放的環境である地点 (瀬底南) を2定点とした。2013年5月-2014年4月にかけて、各定点のミドリイシ属の枝状サンゴ(Acropora tenuis)のそれぞれ3群体からサンゴの枝を計4回採集した。これらのサンゴ組織からメタゲノムDNAを抽出し、PCRの鋳型に用いてメタ16S解析を行った。各定点の栄養塩濃度は月ごとに測定した。その他の物理化学的環境因子 (海水温、pH、濁度等)は多項目水質モニターにより15分ごとに測定した。
【結果・考察】サンゴ共在細菌叢は優占種が季節ごとに異なるなど大きく変動した。2定点間の差異の大きさは時期により異なり、2013年5月では2定点間の共在細菌叢は類似したが、2013年8月や2014年4月では比較的異なった。環境因子については、1年を通して、栄養塩濃度および濁度について石川原でより高い数値が観察された。以上、サンゴ共在細菌叢と環境因子の双方で2定点に差異があったことから、2定点のサンゴ共在細菌叢は環境の差異を反映して変動したと考えられた。
keywords:coral,marine bacteria,environmental assessment,,