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O29-05 : ダイズのRj遺伝子型が共生細菌群集に与える影響の評価
Posted On 20 10月 2014
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1農研機構・北農研, 2島根大・生物資源, 3農研機構・東北農研セ, 4東北大・院生命科学, 5宮崎大・農
ダイズのRj遺伝子群は根粒菌との相互作用に重要な役割を持つことから、長年にわたり研究されてきた。一方で、植物表面や内部にはエピファイトやエンドファイトと呼ばれる多様な微生物群が生息し植物と密接な関係を持つが、Rj遺伝子群がこうした微生物群に与える影響の実態は明らかとなっていない。そこで本研究では、Rj遺伝子型の異なる12種のダイズ品種・系統を用い、部位別に細菌群集構造解析を行うことでRj遺伝子群が細菌群集に与える影響を評価した。 宮崎大学実験圃場にダイズを栽培し、開花期にサンプリングした葉・葉柄・茎・根から細菌細胞濃縮法により細菌画分を濃縮しDNA を抽出した。16S rRNAを対象に454 GS Junior を用いたアンプリコンシークエンシング解析を行った。 部位別の多様性指数は、Bradyrhizobiumが寡占した根が著しく低く、茎が最も高かった。またRj遺伝子型による顕著な影響は観察されなかった。全体的にα-proteobacteria の相対的存在比率が高く、特に根・葉・葉柄で高い傾向を示したが、茎ではβ-proteobacteria やγ-proteobacteria、Actinobacteriaも高い傾向を示した。葉や葉柄ではMethylobacterium 属やSphingomonas 属の優占傾向が観察されたが、茎や根ではこれらの存在割合は低下し、代わって茎ではRhizobium 属が、根ではBradyrhizobium 属が高い傾向をみせた。さらにダイズ根粒菌群内の多様性解析から、フクユタカ(Rj4)に特異的な系統的分布の偏りの存在が明らかとなった。
keywords:Rj遺伝子,ダイズ,多様性,次世代シークエンサー,16S rRNA