P18-05 : 住環境で問題となるカビの制御
Posted On 20 10月 2014
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1北九州市大院・国際環境工, 2シャボン玉石けん, 3北九州市大・国際環境工
住環境には多数のカビが生息しており、年間を通じてその被害が問題となっている。これまで、脂肪酸塩が様々なカビに対して有効的であることを報告してきたが、本研究では、脂肪酸塩の畳表用防カビ剤への利用を視野に、畳に生える主なカビ、4種類に対する脂肪酸塩の抗カビ効果の検討を行った。脂肪酸塩のサンプルはカプリン酸K、ラウリン酸K、滅菌水を用いた。脂肪酸にKOH、滅菌水を加え、混合しサンプルを調製した。抗カビ抵抗性試験(JIS Z 2911)は、検定菌としてA. niger NBRC 6341、P. pinophilum NBRC 6345、C. cladosporioides NBRC 6348、R. stolonifer NBRC 30816を選定した。胞子懸濁液を約106 spores/ ml になるように調整し、それらを混合したものを混合胞子懸濁液とし、各サンプルを散布して作成した畳表をPDA培地に置き、胞子懸濁液を滴下後、30℃で培養し、菌糸の発育の確認を行った。実験の結果、混合胞子懸濁液を接種した全ての畳表で菌糸の発育が認められた。そのため、検定菌をそれぞれ単独で接種させたところ、C10K、C12Kを散布した畳表ではP. pinophilum およびC. cladosporioides の菌糸の発育を抑制することができたが、A. niger およびR. stolonifer では全ての畳表で菌糸の発育が認められた。今回の結果より、脂肪酸塩を塗布した畳表は住環境で問題となるP. pinophilu およびC. cladosporioides に対しては有効的であることが確認された。
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