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P22-18 : 霞ヶ浦流域畑地および林地土壌表層10 mレイヤーの薬剤耐性菌の分布
Posted On 20 10月 2014
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1茨城大・農
【目的】霞ヶ浦流域は畜産業が盛んな地域であり、飼料添加物の薬剤が家畜糞尿を介して環境中に拡散することが懸念されている。先行研究では霞ヶ浦(北浦)上流域の環境水にテトラサイクリン(TC)耐性菌を検出した。本研究では土壌に焦点をあて、TC耐性菌の表層から土壌鉛直方向への移行状況を調査することを目的とした。
【方法】茨城県H市の畑地と森林からボーリングにより表層から10 mの土壌層位を採取し、培養可能菌数(PTYG, DNB培地)、TC耐性培養可能菌数を計測した。TCは最終濃度20µg/mLとして培地へ添加した。また、土壌DNAを抽出し16S rRNA遺伝子を標的としてPCR-T-RFLPプロファイリングを行った。
【結果】林地土壌の菌数(CFU/g乾土)は0~0.78 m層で107/g 、下層で<106/g であった。畑地土壌では0~0.37 m層で107/g、下層でも大きな減少はなく最下層で106/g であった。またT-RFLPプロファイルから求めたシャノン指数は林地の0~0.30 m層(2.94~3.23)で、0.30~1.82 m層よりもやや低かった。一方、畑地では0~0.365 m層で3.32~3.78であった。TC耐性菌数は林地と畑地とも0~0.3 m層で105/g、下層に行くにつれて10/gまで減少し、最下層では<10/gとなった。林地土壌(0~0.12 m、0.12~0.30 m)からのTC耐性菌分離株はBurkholderia属、畑地の場合(0~0.1 m、0.1~0.365 m、0.365~0.915 m)は全ての層でBradyrhizobium属が主要であった。
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