Previous Story
P22-8 : 隔離床栽培での有機質資材の連用が土壌微生物性に及ぼす影響
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1片倉チッカリン(株)
有機連用圃場における土壌微生物性の評価を行ったところ、なたね油かす、魚かす、蒸製骨粉の単肥施用によって土壌が異なる特徴を示すことが分かった。今回は、更なる評価法の検討データ蓄積のため、隔離床栽培での連用試験を行った。 供試資材は、堆肥、有機質肥料、微生物資材で、コマツナの3連作を行った。堆肥は牛糞堆肥、有機質肥料は有機質原料の配合肥料、微生物資材はカニガラなどを含む有機質原料に土壌微生物性の改善に有効な微生物を添加した資材を用いた。対照区として化成肥料(硫安、過石、塩加)区を設けた(1.2㎡/区、3連制)。調査項目は、一般化学性(pH、EC、肥料成分等)、細菌・放線菌・糸状菌などの微生物数、土壌の酵素活性(β-グルコシダーゼ活性)、グルコース又はペクチン添加時の発熱量、病原抑止力(フザリウム菌との同時培養による、フザリウム菌の増殖抑制程度の評価法)とした。 収量は、1作目は対照区が最も高かったが、2・3作目は対照区が最も低かった。土壌の酵素活性は、対照区に比べて、その他の区で増加した。病原抑止力は、対照区に比べ、堆肥区で低下し、有機質肥料区、微生物資材区で同等もしくは上昇する傾向があった。 土壌診断を行う際、化学性の基準値は都道府県で決められているが生物性の評価基準は少ない。作物の収量や土壌病害の発生しやすさを判定するには土壌生物性の評価が重要であり、さらに調査範囲を広げる必要がある。土壌の微生物性評価の手法を様々持つことで土壌の総合的な地力を評価し、土壌、作物の種類などの各条件での最良の土づくりに貢献できるものと思われる。
keywords:微生物資材,土壌診断,酵素活性,病原抑止力,熱量