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P22-11 : インドネシアの慣行農業および保全農業圃場における長期窒素施肥が土壌微生物群集に与える影響
Posted On 20 10月 2014
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1横国大・院・環境情報, 2環境研・地域環境研究セ, 3Univ. of Lampung, Dep. of Soil Sci.
窒素施肥による土壌炭素動態の変化は土壌微生物群集の反応に左右されるが、土壌炭素減少の著しい熱帯農地生態系における長期窒素施肥の土壌微生物群集への影響はあまり調べられていない。本研究では、インドネシアのダイズ (Glycine max L. Merr.) -トウモロコシ (Zea mays L.) 輪作圃場において、作物残渣を除去した慣行耕起区 (CT区) と残渣をマルチした不耕起区 (NT区) に25年間窒素 (200 kg N ha-1 year-1) を施肥した場合の土壌微生物群集への影響を調べた。2012年7月に0‐10 cm深さの土壌を採取し、リン脂質脂肪酸 (PLFA) 分析を行った。その結果、CT区とNT区ともに窒素施肥によって微生物バイオマス量が有意に減少することが明らかになった。さらに、窒素施肥はPLFA量:土壌全炭素量比に負の効果を示した。これは、窒素施肥下の土壌微生物群集は炭素の利用効率が無施肥下よりも低いことを示唆している。また、主成分分析の結果、CT区では細菌 (15:0)、グラム陽性細菌 (i14:0, a15:0, i15:0)、グラム陰性細菌 (18:1ω7, 18:1ω5)、放線菌 (10 me16:0) の指標PLFAの相対存在比が窒素施肥によって低くなることが認められたが、NT区ではその傾向は認められなかった。これは、窒素施肥の土壌微生物群集構造への影響はNT区よりもCT区で大きいことを示唆している。
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