P19-22 : 微生物を用いたセシウムの回収法の検討
Posted On 20 10月 2014
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1大阪府立大院・工
微生物を用いたセシウムの回収法の検討
村田 森応、野本 健太、野村 俊之、徳本 勇人、岸田 正夫、古田 雅一
大阪府立大学大学院 工学研究科、生命環境科学研究科
【背景と目的】2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により大量の放射性核種が環境中に放出された。大量かつ広範囲に放出された放射性核種は複数あるが、中でも137Csはその半減期の長さから今後も影響が懸念されている。高濃度汚染地域では吸着剤や表土の剥ぎ取り等の手法が用いられる。これらの手法はコストや物理的制約に難点があり廃棄物の減量も求められている。しかし137Csは土壌に吸着されると除染が難しいとされている。この問題の解決策として微生物を用いた回収モデルの構築を目的とした。
【方法と結果】Cs高吸収能が報告されているRhodococcus erythropolis,CS98株をGYP液体培地を用いて30℃の好気条件下で24時間振盪培養を行った。回収した菌体を純水で三度洗浄した後に終濃度 1.0×108 cell/mlとなるように CsCl水溶液に加え、容積1.5 mlのマイクロチューブに加え全液量を1.0 mlとした(最終濃度100 mg/L)。これを30℃で静置培養し、24時間後の菌体中のCsCl量を測定した。その結果、CsClの吸収量は約61mg/g-乾燥重量となり、文献値(BSK培地にCsClを濃度168 mg/Lで添加した場合で約68 mg/g-乾燥重量)と同等のCs吸収能が保持されていることを確認した。今後、本菌とCsを吸着させたSiO2粒子をモデルとし、吸着特性を検討する予定である。
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