P19-15 : Rhodococcus jostii RHA1株のγ-レゾルシン酸代謝酵素遺伝子群の転写制御機構の解明
Posted On 20 10月 2014
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1長岡技科大院・工
【目的】Rhodococcus jostii RHA1はγ-レゾルシン酸(2,6-DHBA)を3-オキソアジピン酸を経由する芳香環開裂経路にて代謝し唯一の炭素源として生育する。その代謝はtsd遺伝子群(tsdXTRBADC)が関与し、tsd遺伝子群のtsdRは、IclR型の転写制御因子をコードすると考えられるが、2,6-DHBA代謝における機能は明らかにされていない。本研究ではtsd遺伝子群の転写制御機構の解明を目的とした。
【方法】tsd遺伝子群の誘導性を調べる為、2,6-DHBAまたはコハク酸を炭素源として培養したRHA1の全RNAを用い、RT-PCRによる遺伝子転写解析を行った。またtsdR破壊株の2,6-DHBAにおける生育能と分解能を調べた。大腸菌で発現させたHis-tag付きtsdR産物(ht-TsdR)の標的DNAへの結合はEMSAにより検定し、tsdRとtsd遺伝子DNAとの相互作用を調べた。
【結果と考察】tsd遺伝子群は、2,6-DHBAで転写誘導され、tsdXT、tsdBADCの2つのオペロンとモノシストロニックなtsdRで構成されている事が明らかとなった。またtsdR破壊株は野生株と比較し、著しく高い分解能を示した事から、tsdRはtsd遺伝子群を負に制御するリプレッサーである事が示唆された。EMSAの結果からTsdRはtsdT-tsdR間及びtsdR-tsdB間に結合することが示唆された。このことからtsdRはtsdT-tsdR間及びtsdR-tsdB間への結合により、両オペロンの転写制御を行うと想像される。
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