P19-09 : PCB分解菌におけるカテコール分解遺伝子の転写制御
Posted On 20 10月 2014
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1東北学院大院・工, 2東北学院大・工, 3長岡技科大・工
ポリ塩化ビフェニル(PCB)分解菌Rhodococcus jostii RHA1は、PCBをビフェニル(BP)との共代謝によって分解する。これまでに、BPから安息香酸(BA)までの分解に関与する遺伝子群の転写がBP存在下で活性化すること、その転写活性化はBphS1、およびBphT1 / BphT2からなる二成分制御系によって行われていることが明らかになっている。BAはBenABCおよびBenDによってカテコールへと変換され、カテコールはCatAによってオルソ開裂される。我々はこれまでに、BA存在下でBP上流分解遺伝子群のBPによる転写活性化が抑制されること、および抑制の原因物質がBAの分解産物であるカテコールであることを明らかにしている。この転写活性化抑制メカニズムの全容を明らかにするため、本研究では、RHA1株のカテコール分解遺伝子catAの転写制御について解析を行った。レポーター遺伝子としてルシフェラーゼ遺伝子を用い、その上流にcatAプロモーター領域を挿入したレポータープラスミドpKLAPcatAを構築した。RHA1株及びbenA、benD、catA、catBの各遺伝子破壊株に本プラスミドを導入し、1/5 LB培地に様々な濃度の安息香酸を加えて培養した。3時間毎にルシフェラーゼ活性の測定と代謝産物の測定を行った。その結果、0.1 mM安息香酸存在下で、catB破壊株においてcis,cis -ムコン酸の蓄積と転写活性化が観察されたことから、cis,cis -ムコン酸が転写制御因子の基質となり、catAの転写が活性化されると考えられた。
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