P19-03 : Rhodococcus jostii RHA1によるcis-1,2-ジクロロエチレンの分解に関わる酵素遺伝子の解析
Posted On 20 10月 2014
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1長岡技科大院・工
【目的】塩素化エチレン類は土壌・地下水汚染の主な原因物質の1つで、微生物を用いたバイオオーグメンテーションに期待がもたれている。我々は、ビフェニル(BPH)分解菌のRhodococcus jostii RHA1がビフェニル、エチルベンゼン等で同時に誘導されるBphAおよびEtbAの2種類のジオキシゲナーゼによりトリクロロエチレン(TCE)を分解すること、TCEでも両オキシゲナーゼが誘導されることをすでに明らかにした。本研究ではRHA1株のcis-1,2-ジクロロエチレン(cisDCE)分解能と分解酵素遺伝子について解析した。
【方法】エチルベンゼン、TCE、cisDCE存在下または非存在下でコハク酸を炭素源として培養した菌体をW無機塩培地に懸濁し、100 mlのバイアルに20 ml入れ、さらにcisDCEを1.5 μmol添加した。バイアルを密栓し、30℃で振盪培養して、継時的にヘッドスペースのcisDCE量をFID-gas chromatographyで測定した。
【結果と考察】コハク酸のみで培養したRHA1においてcisDCEの分解が観察され、さらにエチルベンゼン、TCEまたはcisDCE存在下で培養することで分解能が高まった。Rhodococcus erythropolis IAM1399で異種宿主発現させたBphAまたはEtbAは共にcisDCEの分解能を示した。また、両ジオキシゲナーゼの二重変異株ではcisDCE分解能が低下したが、分解能が完全に失われなかったことから、cisDCEの分解に関与する未知の酵素の関与が示唆された。
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