P19-01 : バイオナノマテリアルを用いた微生物燃料電池の効率化
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1静大院・自然科学系教育部, 2静大院・工, 3静大・工
微生物燃料電池(Microbial Fuel Cell : MFC)は次世代型のエネルギー生産システムとして着目されているが発電量が極めて低く実用化には至っておらず、発電力の大幅な向上が求められている。本研究では空気正極型MFCを構築し、高電流生産が確認された時(2.2±0.8 A m-2)、微生物を負電極上から単離し嫌気的液体培養を実施した。その結果、培地中に黒色の沈殿物が確認された。この微生物によって生じた新規化合物(Bio Nano Material : BNM)をMFCに添加したところ、電流生産能が約80倍に向上した。高効率型MFCの構築を可能とするBNMの解析において若干の知見を得られたので報告する。
得られたBNMを回収し、エネルギー分散型X線回折解析を実施しところ、酸素、リン、チタン、鉄および硫黄を主成分とする化合物であることが示された。BNM生成に合わせて培地上清中から硫酸および鉄イオン濃度が検出限界以下まで減少し、鉄は二価に還元され硫化水素が生成した。また、継代培養に伴いBNMの電子伝達能力の向上が確認された。BNM継代培養物の微生物群集構造解析の結果から、Desulfovibrio属細菌の有効性が示された。さらには、BNMは蓄放電能力を持つ事が確認されたため、BNMを用いた微生物燃料二次電池の構築に向けた解析を現在実施中である。
keywords:Microbial Fuel Cell,Biomineralization,,,