P17-11 : Native二次元電気泳動を用いた活性な亜酸化窒素還元酵素の検出方法の検討
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1山口大・農
農耕地は亜酸化窒素(N2O)の主要な排出源のひとつとして考えられており、亜酸化窒素還元酵素(N2OR)を持つ土壌脱窒菌によるN2への還元がいくつかの研究で試みられている。しかしながら、実際に土壌中で活性なN2ORを発現している脱窒菌群の特定には至っていない。土壌から活性状態のN2ORタンパク質が分離できれば、実際に活性なN2ORを発現している脱窒菌群を特定することが可能である。本研究では、NativeなN2ORの二次元電気泳動条件について検討したので、途上であるが、その一部を報告する。材料及び方法:ペリプラズム画分を分子量分画後、粗タンパク質溶液をNative PAGEし活性染色した。市販の一次元目用等電点ゲルの組成から、チオ尿素を除いたものを自作した。フラスコに生土壌をとり、牛糞堆肥を5t/haの割合で混合して、嫌気条件で脱窒菌を集積した。この土壌から間接法により菌体を集め破砕した。分子量10万以上の画分をNative二次元電気泳動/活性染色に供した。結果及び考察:用いた条件では、一次元目の等電点電気泳動ゲル中で等電点沈殿が起こり、特に高pH側に等電点を持つタンパク質の二次元目Nativeゲルへの移行が不十分だった。活性染色をしてもN2ORのスポットは得られなかった。N2O還元活性を集積した土壌からのNative PAGEゲルをCBB染色しても明瞭なタンパク質バンドが得られなかった。謝辞:この研究は、文部省科学研究費24658063の支援を受けて行った。二次元電気泳動について、アトー株式会社製品情報グループ 石田由加氏から多くの助言を頂いた。
keywords:亜酸化窒素還元酵素,活性染色,Native PAGE,二次元電気泳動,土壌