P17-05 : 次世代シーケンス解析におけるIndex PCR法は本当に有効な方法なのか?
Posted On 20 10月 2014
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1(株)テクノスルガ・ラボ
【目的】近年、次世代シークエンサーの導入により解析可能な塩基配列数が飛躍的に増加し、多検体の同時解析が可能となった。しかし、多検体の同時解析には、多くのプライマーを合成しなくてはならず、初期コストの増加につながる。現在、イルミナMiSeqを用いた解析では、Dual Indexプライマーを用いることにより、プライマー合成コストを抑制することが可能である。さらに、イルミナより、Index PCR法(2 Step PCRによるIndexの付与)がリリースされた。Index PCR法を用いることで、プライマー合成コストは大幅に減少するが、通常1 StepのPCRでおこなうIndexの付与を2 StepのPCR反応でおこなうため、PCRバイアスが懸念される。そこで本研究では、Index PCR法が群集構造解析に及ぼす影響について検討した。【方法】幼児の糞便からDNAを抽出した。原核生物ユニバーサルプライマー(V3-V4領域)を用い、異なるIndexの付与方法、PCR手法、サイクル数およびアニーリング温度でPCR反応を行い、次世代シーケンス解析を行った。得られたリードについてはRDPにより分類群の推定を行い、各PCR方法によるPCRバイアスについて検討した。【結果および考察】2 StepのIndex PCRを行うことにより、ダイレクトPCRでIndexを付与した場合と比較してFirmicutes門、Actinobacteria門の割合が減少し、Verrucomicrobia門の割合が増加した。以上のことから、異なるIndexの付与方法が群集構造解析におけるバイアスとなる可能性が示唆された。
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