P17-04 : 次世代シークエンス解析の解析領域が様々なサンプルの帰属分類群の推定に及ぼす影響
Posted On 20 10月 2014
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1(株)テクノスルガ・ラボ
【目的】次世代シークエンサーを用いた解析では、近年、解析できる塩基長が伸びている(現在、イルミナMiSeq では600bp)。解析に使用できる領域の選択肢が増えることで、「微生物群集構造解析においてどの解析領域を使用するのが目的のサンプルに適しているのか?」という疑問を多くの人が持つであろう。そこで、本研究ではMiSeqを用いて、解析領域が様々なサンプルの帰属分類群の推定に及ぼす影響を検討した。【方法】5種類のサンプル(糞便、唾液、土壌、活性汚泥、河川水)からDNAを抽出し、一般細菌16SrDNA対象のユニバーサルプライマーセット27F-534R(V1-V3)、27F mod-534R(V1-V3)、341F-806R (V3-V4)、341F-926R (V3-V5)、515F-1064(V4-V6)を用いてPCRを行いMiSeqによる解析を行った。得られたリードについて、RDPによる帰属分類群の推定およびアポロン基準株データベースによる種レベルの推定を行い、各種サンプルについて解析領域における帰属分類群の推定結果を検証した。【結果および考察】RDP解析およびアポロン基準株データベースによる解析の結果、検討したいずれのサンプルにおいても、解析領域によって帰属分類群の構成比に変化が認められた。特に、アポロン基準株データベースによる種レベルの推定においては、解析領域によって種レベルに推定されるリードの割合に大きな差が認められた。また、サンプルの種類によっても、その結果に多少の違いが認められたことから、サンプルの種類によっても適する解析領域が異なると考えられた。
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