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P16-31 : 白麹菌を用いた液体培養による耐酸性α-アミラーゼ生産の増強
Posted On 20 10月 2014
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1北九州市大・院・国際環境工・環境システム, 2北九州市大・国際環境工・環境生命工
【緒言】 現在の焼酎製造は、固体麹を用いた方法が主流であるが、固体麹造りは温度や湿度などの厳密な調整が必要となるため職人技に頼っている酒造会社が多い。そこで、麹菌の培養制御の容易さや簡便な製造方法である液体麹に着目した。しかし、液体麹ではアルコール発酵に必要な耐酸性α-アミラーゼ(Aα-A)の生産性が著しく低いと言われている。 本研究室では牛乳を液体培養の培養基質として用いることにより、Aα-A生産性が増強することについて既に明らかとしている。そこで本研究では、Aα-A生産の増強因子を明らかにすることにより、半合成液体培地によるAα-A生産法の構築と液体麹を用いた焼酎醸造に関する研究を行った。 【実験方法】 菌株にAspergillus kawachii NBRC 4308 を使用した。この菌株の胞子懸濁液を改変SLS液体培地に接種後、30 ℃、200 rpmで振とう培養を行った。培養液を吸引濾過後、粗酵素液として酵素反応に用いた。 【結果】 牛乳に含まれるカゼイン、ラクトース、塩化カルシウムについては、高いAα-A活性は得られなかった。しかし、K2HPO4を1.0 g /L添加した場合で690 U/g-substrateの高い酵素活性が認められた。その他リン酸塩についても400 U/g-substrate前後の高い活性を得ることができ、カリウムに対しては高い活性を得ることが出来なかったことからリン酸塩が酵素活性向上因子であることが明らかとなった。
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