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P16-13 : アルカン相内で生育する有機溶媒耐性菌Rhodococcus erythropolis PR4のタンパク質発現プロファイルの解析
Posted On 20 10月 2014
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1日大・生資科, 2新潟大・院・医歯学総合
【目的】PR4株は各種アルカン分解・耐性菌であり、極めて特殊な相互作用を示すことが知られている。すなわち、培地/アルカン二相培養系において、アルカン相表面に吸着して存在する「吸着型」、あるいはアルカン相内に転移して存在する「転移型」というように、添加するアルカンの炭素数により細胞の局在性を変化させて生育できる能力を有している。これまでに、細胞のアルカン相内での生育には、シャペロニンの一種であるGroEL2の発現上昇が重要であることが明らかとなっている。本研究では、GroEL2以外にアルカン相内での生育に関与するタンパク質を探索するため、発現プロファイルの解析を行った。
【方法と結果、考察】細胞の局在性が転移型、吸着型となる各種培養条件を作製し、それぞれの細胞から全タンパク質を抽出し、アルカン無添加条件と合わせてショットガンプロテオーム解析を行った。得られた各種発現プロファイルを比較、検討した。最初にリボゾームタンパク質群について検討したところ、アルカン添加の有無、細胞の局在性に関係なく再現性良く検出された。この結果は、同菌がアルカン相内でも良好な生育を示すことを支持した。続いて、有機溶媒耐性に重要な排出ポンプ群について検討したところ、供試した3条件で検出されたタンパク質の種類の差がほとんどなかったことから、同システムの影響は少ないと考えられた。一方で転移型条件において、検出されaldehyde dehydrogenaseの種類が他の条件に比べ有意に上昇していた。現在、細胞の局在性やアルカン相内での生育との関係性を検討している。
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