P16-04 : 寒天×培地調整法=?
Posted On 20 10月 2014
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1北大・農院, 2北大・農院, 3産総所・生物プロセス, 4Dep. Agronomy, Purdue Univ.
【背景・目的】
現在までに単離培養された微生物種は,全体の1%に満たないと言われている.難培養性微生物は未知なる遺伝資源として期待されており,それらを単離培養可能にする培養方法の開発・改良が求められている.演者らは寒天培地調整法に着目し,わずかな手順の違いが細菌の生育に影響を与えることを明らかにしつつある.本研究では,培地調整の手順による影響の程度が寒天の種類により変化することを見出し,評価した.
【方法】
ペプトン,酵母エキス,グルコース,ミネラルから成るPYG培地を二通りの手順で調整し,各5社10種の寒天(15 g/L)で固化した.これらの寒天培地を用い,Arthrobacter sp., Sinomonas atrocyanea等の純粋単離株について,Most Probable Number (MPN) 法を固体培地に応用したスポット試験,および培地を凍結融解して得た上清による液体培養を行い,生育差を評価した.また,同様の寒天培地上で形成されるコロニーの観察も行った.
【結果・結論】
スポット試験において,培地調整手順の違いによる細菌の生育差が,一部の種類の寒天においてより顕著になることが示された.また同様の結果は培地を凍結融解して得た上清による液体培養においても認められ,培地調整手順による影響に関与する因子が,培地に含まれる自由水中に存在することが示唆された.また,S. atrocyaneaならびにArthrobacter sp.について,寒天の種類により形成されるコロニーの面積に明らかな差が見られた.現在,コロニー面積の数値化,及び他の菌株における同様の実験を進行中である.
keywords:colony,growth,agar,cultivation,