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P14-05 : 徳島・和歌山の鉱山土壌に生育する環境適応微生物の探索
Posted On 20 10月 2014
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1徳島大・総合科学, 2徳島大・院・総合科学, 3徳島大・院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス
これまで我々は、四国の吉野川流域に存在した黄銅鉱、硫化鉄鉱の鉱山跡採掘滓に存在する重金属耐性微生物について調査・報告した(佐藤ら、阿波学会紀要, 58, 187-196,2012)。徳島・和歌山地域の中央構造線南側(西南日本外帯)の四国山地には石灰岩鉱山、紀伊山地には黄銅鉱などを産出した妙法鉱山跡が存在する。そこで本研究では、これらの鉱山土壌への微生物の環境適応機構について知見を得ることを最終目的とし、その一環として徳島県石灰鉱山土壌から炭酸カルシウム耐性微生物の探索を、また和歌山県妙法鉱山跡土壌から硫酸鉄、硫酸銅耐性微生物の探索をそれぞれ行った。 まず、徳島県阿南市阿瀬比の石灰鉱山より土壌試料を採取し、5-20% CaCO3を含む培地にてスクリーニングを行なった後、CaCO3耐性を有する25種の微生物(ATおよびAsec)を単離した。次に、単離したATおよびAsecの16SrRNA遺伝子の相同性解析を行った結果、AsecはPseudomonas属およびBacillus属細菌であり、ATは上記2属の他に、Arthrobacter属、Lysinibacillus属、Stenotrophomonas属、Staphylococcus属細菌であることが示唆された。 一方、和歌山県那智勝浦町の妙法鉱山跡土壌を採取し、0.5-2mM硫酸銅または硫酸鉄を含むLB培地にて、重金属耐性微生物のスクリーニングを行なった結果、約50種の重金属耐性微生物を単離した。この中には硫酸銅培地を黒変させるものもあり、現在微生物の16SrRNA遺伝子のDNA塩基配列決定および相同性解析を行なっている。
keywords:Environmental adaptation,calcium carbonate,Copper mine,,