P13-11 : 15Nトレーサー法による回分式・連続式部分硝化リアクターからの亜酸化窒素生成機構の解明
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1東農工大・院, 2Air Force Institude of Technology
部分硝化法はアンモニア酸化細菌(AOB)の増殖に有利な条件を槽内に創製して優占化させることで、亜硝酸を蓄積させる方法で、コストや余剰汚泥発生量を削減することが可能となる。しかし、亜硝酸の蓄積により、温室効果が高く、オゾン層破壊物質として知られる亜酸化窒素の放出量が従来の硝化・脱窒法と比べ大幅に増大することが報告されている(Kampschreur et al., 2009)。しかし、部分硝化法における亜酸化窒素抑制の方法や亜酸化窒素生成メカニズムは解明されていない。 そこで本研究では、連続式と半回分式の流入形式が異なる2種類の部分硝化型活性汚泥リアクターを運転し、安定同位体を用いた15Nトレーサー法を用いることで亜酸化窒素の生成経路の解明を行った。また、運転方式や各リアクターで集積されたAOBが亜酸化窒素の生成量に及ぼす影響を評価した。15Nトレーサー法の結果、完全硝化リアクターからの亜酸化窒素生成はAOBや従属栄養細菌による脱窒が主であると報告されている結果と異なり、部分硝化リアクターから生成する亜酸化窒素は連続式では最大49%、半回分式では最大61%がヒドロキシルアミンと亜硝酸が1分子ずつ反応して亜酸化窒素が生成することを明らかにした。また、AOBが集積化された運転方式をスイッチさせて亜酸化窒素の生成量を評価したところ、運転方式により亜酸化窒素生成量が変化し、AOBの菌叢による影響はほぼないことを明らかにした。さらに、このHybridな亜酸化窒素生成は生物学的な反応に加え非生物学的な反応が関与すること、特にCu2+が亜酸化窒素に影響を及ぼすことを示した。
keywords:部分硝化,亜酸化窒素,ハイブリッド反応,アンモニア酸化細菌集積系,