P13-10 : 屎尿の高温好気液肥化における化学・物理パラメータ及び細菌群集構造の変化
Posted On 20 10月 2014
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1九大・院・生物資源
目的:福岡県築上町では、約3週間にわたる自家発酵熱型のバッチ式好気発酵処理により、屎尿を有機液肥に変換してリサイクル利用し、バイオマス資源の有効活用を行っている。我々は先の大会で2013年7月から約3週間好気発酵を行った試料について、化学・物理パラメータと細菌群集構造の変化に関して報告した1)。本研究では、2014年6月から同様に好気発酵を行った試料の解析を行い、発酵の再現性確認と共に、両試料で共通する主要細菌の特定を目的とした。方法:ポータブル多項目水質計を用い、発酵開始から2週間における発酵試料中の温度、ORP、DO等を測定した。また、発酵0-4、6、8、9、14 dの試料の抽出DNAを用い、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動 (DGGE) に供した。結果:温度と細菌叢の変化から、発酵期間は3段階に分けられた。Phase 1 (0-2 d)では、27°Cから45°Cへ約0.4°C/h で上昇し、ORPとDOは低い値を示した。DGGEバンドは変性剤濃度の低い位置に多く確認された。Phase 2 (2-4 d)では、45°Cから53°Cへ約0.2°C/h で上昇し、ORPとDOも上昇した。バンドパターンの大きな変化はないが、一部で特異的なバンドがみられた。Phase 3 (4-14 d)では、53°C付近で一定となり、ORP、DOも高値でほぼ一定を保った。DGGEバンドは変性剤濃度の高い位置に集中していた。以上の結果は前回と類似しており、発酵経過に再現性があることが示唆された。現在、各発酵段階における主要細菌の特定を試みている。1) 紀井ら,第29回日本微生物生態学会大会要旨集p112
keywords:high-temperature aerobic fermentation,liquified fertilizer,bacterial community structure,16S rRNA gene,