P13-07 : 放射性物質汚染バイオマスの減容化を目指したUASBメタン発酵システムの開発
Posted On 20 10月 2014
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1静大・院・工, 2森林総研
【背景】我々は、放射性物質汚染バイオマスを、焼却せずに減容化する手法の開発を目指して研究をしている。本研究では、湿式ミリング法による微粉化・糖化と、固液分離後の糖化液の上向流嫌気性汚泥床(UASB)メタン発酵処理の最適化を目指している。 【方法】(1)湿式ミリング:モデルバイオマスとして非汚染のスギとイナワラを用いた。木粉50 g、水445 mL、リン酸緩衝液(pH5.5)5 mL、糖化酵素としてOPTIMASH BG(GENENCOR®)を5 mL(59225 U)、OPTIMASH XL(GENENCOR®)を5 mL(35650 U)を混ぜ、ミリングを2時間行った。その後得られたスラリーを固液分離し、糖化液と固形残渣を得た。残渣は、追加糖化を4次糖化まで行った。(2)UASBメタン発酵:スギ、イナワラ糖化液を、初期COD100 mg/Lに希釈し、段階的にCODを上昇させ、ガス生成量、組成を測定した。 【結果と考察】(1)湿式ミリング:スギ1次糖化液のCODは48000 mg/Lで、糖化率25.8%、イナワラ1次糖化液は64000 mg/Lで、63%の糖化率を得た。スギに関しては4次糖化まで行ったところ、全体で67%の糖化率を得た。(2)UASBメタン発酵:スギ、イナワラ糖化液のCOD上昇に伴い、ガス生成量は増加し、メタン含有率60%を維持していたことから、バイオマス糖化液のメタン発酵は良好に運転可能だと示された。スギは2000 mg/L、稲わらは1200 mg/LまでCOD上昇が可能であった。現在放射性物質で汚染されたバイオマスを用いた実証試験を行っている.
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