P13-05 : 微生物燃料電池による低環境負荷嫌気性排水処理システムの検討
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1静大・院・工, 2静大・創造科技院
現在、全国で用いられている排水処理技術として活性汚泥法が挙げられる。この処理方法は高処理速度や窒素除去などの利点を持つが、曝気による多大なエネルギーコスト、大量の余剰汚泥の発生、またその焼却処理による多量の二酸化炭素発生などの問題点があり、環境に対する負荷の低減が求められている。そこで嫌気的排水処理が挙げられるが、実用化のためには都市排水などの低濃度排水での処理効率を向上させる必要がある。本研究では、微生物燃料電池(MFC)を用いた電子フロー制御による種間水素伝達の促進を提案し、効果的な排水処理の構築を目的とした。
初期COD約3100 mg・L-1の人工排水に水田土壌0.5 gを接種源とした容積50 mLのMFCリアクターを嫌気的に構築した。51 Ωの外部抵抗を用いた閉回路系、バイオミネラリゼーションによって得られた蓄放電物質(BNM)を添加した閉回路系、コントロールとして開回路系を構築した。COD測定の結果、培養10日目におけるCOD除去率が嫌気開回路系では約50%であったのに対してBNM添加嫌気閉回路系では約76%であり、最も速いCOD除去速度を達成した。この結果はBNMの有用性および嫌気性排水処理の実用化を示唆した。一方、BNM添加嫌気開回路系および嫌気閉回路系では50%のCOD除去率達成に14日間必要であった。以上によりBNMの添加や閉回路にすることで排水処理における電子フローの変化が示された。本研究結果は温室効果ガス発生の削減に有効な効果的嫌気性排水処理プロセスの実現可能性を示唆している。現在、容積を2 Lにスケールアップしたリアクターを用いた解析を実施中である。
keywords:,,,,